ニシアフリカトカゲモドキは昆虫を食べるため、飼育する上でコオロギなどの活餌をあげる覚悟が必要です。一方で、人工フードを食べることができる個体も多く、コオロギは食べないのに人工フードであれば食べてくれるという日があるなど、いろいろな種類の餌を食べられるようにしておくことは拒食対策にもなります。そこで今回はおすすめの人工フード、冷凍餌、ピンセットをご紹介します。
1.餌の選び方、給餌用品の選び方について
餌を購入するにあたり、お迎えしたニシアフがショップで何を食べていたのかということを必ず確認しましょう。ニシアフが自宅の環境に慣れるまではストレスにならないよう、ショップで普段食べていた餌を与えることをおすすめします。その後、数日間飼育してニシアフの食欲に問題がなければ、ショップで普段食べていた餌だけでなく、色々な種類の餌をあげるようにします。ニシアフは、もともとよく食べていた餌を一時的に食べなくなることがあり、その際に他の選択肢を取れるようにしておくことが大切だからです。実際に私の飼育しているニシアフの中には、活コオロギやハニーワームを食べなくなり、人工フードしか食べない時期があった子もいます。
現在、爬虫類の餌は活餌だけでなく、冷凍餌、乾燥餌、人工フードとたくさんの種類が販売されています。私の場合は、活餌だけでなく、冷凍のイエコオロギ、フタホシコオロギ、そのほか、複数の人工フードをローテーションで与えています。人工フードの主原料は様々であるため、一つの商品を食べなかったからといって、うちのニシアフは人工フードは食べられないと思わずに、他の人工フードを試してみることをおすすめします。私が実際に使用したことのある人工フードについて紹介しますので、よかったら選ぶ際の参考にしてください。
次に給餌で使用するピンセットですが、①軽い力で掴めるもの、②ニシアフが勢いよく食いついても怪我をしないものを選びましょう。ニシアフの中には餌を食べるまでの時間がかかる子や、動かしていないと食欲のスイッチが入らない子もいます。そのため、長時間持っても疲れず、また力を入れすぎることで人工フードを崩してしまわないよう、軽い力で餌を掴めるピンセットをおすすめします。また、ニシアフは普段はおっとりしていることが多いですが、給餌の際にピンセットにぶつかってくるほど勢いよく食いつくときもあるため、ニシアフが誤って当たったり、噛みついたりしても怪我をしにくいようピンセットの先端が尖っていないものを使用することをおすすめします。また、爬虫類用のピンセットは大型のトカゲやヘビ等を想定して長いものも販売されていますが、ニシアフについてはピンセットが短いことで誤って手を噛まれることはほとんどないため、ケージ内で小回りがきく小さなピンセットを使用したほうが給餌しやすいと思います。
2.おすすめの人工フード
①キョーリン「レオパドライ(LEOPADRY)」
主原料:ミルワーム
使用方法:給水後にピンセットで給餌
参考価格:700円〜1,200円程度
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・給水後でも崩れにくいです。
・姉妹品レオパゲルと異なり常温保存可能で開封後も長期保存が可能です。
・私が飼育しているニシアフたちはみんな食べてくれました。
②ジェックス「レオパブレンドフード(LEOPA BLEND)」
主原料:アメリカミズアブ
使用方法:給水後にピンセットで給餌
参考価格:650円〜1,200円程度
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・レオパドライと同じく常温保存可能で開封後も長期保存が可能です。
・私が飼育しているニシアフたちはみんな食べてくれました。
・レオパドライよりも給水量、給水時間の調整がシビアな印象ですが、調整に慣れたらピンセットで掴んでも崩れません。
・レオパドライよりも小さいため途中で噛み切らず一口で食べてくれることが多いです。
③REPASHY「レパシースーパーフード グラブパイ(GRUB PIE)」
主原料:アメリカミズアブの幼虫
使用方法:粉末1:お湯2〜3の割合で混ぜ、常温まで冷やして固まった状態のものを与える。
参考価格:2,000円程度
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・給水後の餌は冷蔵庫で2週間程度保管可能です。一度多めに作ったら次はそのままあげることができるため便利です。
・お湯の量を多くすることで、ニシアフが舐めて食べられる硬さにもなります。以前、私の飼育しているニシアフが拒食し、ハニーワームすら食べない状態になったときでも、この商品は舐めて食べてくれたため、私は拒食対策としても使用しています。
・他の商品にも言えることですが、ニシアフにも好き嫌いがあるため、必ず食べてくれるという保証はありません。私の飼育しているニシアフのうち、普段から人工フードの食べムラがあるニシアフ1匹はこの商品は食べませんでした。
④日本動物薬品「コオロギペースト」
主原料:コオロギ
使用方法:スティックから出してピンセット等で摘んで与える。
参考価格:750円〜900円程度
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・開封前は常温保存可能で、1袋あたりの量が少ないため、余った場合でも冷蔵庫で保管しやすいです。
・似たような商品のある中で、この商品は硬さがちょうど良く、ピンセットで掴んだ際にちぎれて床に落ちるということが少ないです。
・量に対して高額であるため複数のニシアフの飼育や毎日の使用には向きませんが、水を含んだりする必要がないため、時間がないときや、災害時の備えとしてあると便利です。
・普段コオロギを与えることが多いからなのか、私の飼育している子たちは初日から抵抗なく食べてくれました。
3.おすすめの冷凍餌
①月夜野ファーム「冷凍コオロギ【ハウスクリケット】」
主原料:イエコオロギ
使用方法:ぬるま湯等で解凍し、カルシウムパウダーをかけてから与える。
参考価格:3,300円程度(150gの場合)
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・冷凍コオロギひとつでもニシアフの好みがあるらしく、他店で購入した冷凍イエコを食べなかったニシアフがこの商品は尻尾を振って食べてくれました。
・活餌の管理が難しい場合には、冷凍コオロギをおすすめします。ジップロック等に入れて冷凍庫に入れて保管するため家族に相談する必要がありますが、長期保存できますし、人工フードよりもニシアフの食いつきが良い場合が多いです。
※類似の商品としてフタホシコオロギの冷凍餌も販売されています。
4.おすすめの給餌用品
①水作「ピンセットスプーン」
サイズ:約10cm(スプーン部分を除く)
材質:プラスチック
参考価格:250円〜300円
【商品の特徴・実際に使用した感想】
・非常に軽い力で餌を掴むことができます。ニシアフの中には餌を認識してから食べるまで時間がかかる子がいるため、長く掴んでいても疲れないこの商品をおすすめします。
・このピンセットは比較的短いもので、ケージ内で小回りがきくため、給餌しやすいです。
・先が丸くなっており、プラスチック製であるため、給餌のときにニシアフが怪我をしにくいと思います。
・後ろにスプーンが付いているため、コオロギ等にカルシウムをかける必要があるときにも便利です。
・プラスチック製であるため、汚れが落ちやすく清潔に保ちやすいです。
5.まとめ
ニシアフは尻尾に栄養を貯めることができ、餌を食べなくなってもすぐに命に関わるということは少ないと言われていますが、飼い主としては食べてくれないととても心配になります。食べない理由を特定するのは難しいですが、別な餌を見せたら喜んで食べてくれるということもありますので、普段から様々な餌を与えて飼育し、お迎えしたニシアフが何の餌を食べられるのかを把握しておくことをおすすめします。
コメント