ニシアフリカトカゲモドキを留守番させる場合の事前の準備と注意点

飼育日誌

 ニシアフを飼育するにあたり、飼い主が外泊しても大丈夫なのかということは気になるポイントかと思います。この記事では外泊の際に飼い主が気をつけるべきポイントについてお話します。

ニシアフを留守番させることはできるのか?

 ペットを留守番させて外泊することについては様々な考え方があると思いますが、私は健康なアダルトのニシアフであれば、留守中も適切な環境を用意できることを前提に2泊3日程度の短期間の外泊であれば問題ないと考えています。というのもレオパと同じようにアダルトのニシアフは外泊していない場合でも週に1、2回程度の給餌が基本であり、季節にもよりますが、2泊3日程度であれば水入れの水もニシアフが飲んだり蒸発することによって完全になくなるとは考えにくく、数日交換しないことですぐに体調を崩すとは考えにくいためです。

 一方で、ベビーのニシアフは毎日または2日に1回程度の給餌が必要ですし、産卵前のニシアフの場合はトラブルが起きた際に対応する必要があるほか、産卵後は卵を適切に管理する必要が生じるため、そのようなニシアフを飼育している期間は外泊は控えるべきです。

 もちろん、アダルトか否かにかかわらず、普段の飼育においては水入れの水の交換はこまめに行うのが基本ですし、排泄物の片付けもその都度する必要があります。給餌日以外の短期間であればお世話をしなくても大丈夫という意味ではありませんので、ニシアフを飼育する場合には日々のお世話の時間がかかることを理解した上で飼育するようにしましょう。

外泊前の注意点

①エアコンやSwitchBotなどを使用し、適切な気温や湿度を保つ

 お住まいの地域や外泊する季節にもよりますが、外泊時には気温や湿度に気をつける必要があります。エアコンの種類で一定の気温になったら自動でついたり、消えたりするタイプであれば問題ありませんが、そうでない場合は外泊前に準備をする必要があります。

 私の場合はSwitchBotを使用して温湿度を管理するようにしています。具体的にはSwitchBotシリーズのうち、①温湿度計、②ハブミニを使用して温度を管理しています。この2つを使用することで、外泊先で温湿度が把握でき、スマホからエアコンを操作することができます。あらかじめ設定をすることで、一定の温度になったらエアコンが自動で作動し、一定の温度で電源が切れるようにすることも可能です。また留守中に停電になった場合でも温湿度計は電池式であるため、停電中の室温の変化が確認できますし、停電が終わればハブミニが使用できるためエアコンを外部から操作することも可能です。室温は最もニシアフの体調に影響しやすいですが、最低限この2つがあれば安心して外泊することができると思います。私は以前購入した温湿度計プラスを使用していますが、今は温湿度計プロという商品が販売されているようです。どちらの商品も外泊時の室温の確認やハブミニと一緒に使用することでエアコンとの連動させることができます。

 また冬場は暖房を使用することで湿度が下がりやすいため、私の場合は冬場はウェットシェルターだけでなく、加湿器を用意してから外泊していました。外泊の際に加湿器の水がなくなってしまうというトラブルを避けるため、SwitchBotの加湿器とハブミニを連動させることで湿度が一定以下になったときのみ作動するようにして、連続運転時間をオーバーしたり、帰宅前に水がなくなってしまわないよう調整しました。湿度が低いことは水入れの水の蒸発につながるため、冬場は特に注意が必要です。

②水分補給ができることを確認する

 外泊中に水入れの水がなくなってしまいそうであれば、水入れを大きくするなどの対応も考えられますが、外泊当日に変更するのではなく、事前に1度様子をみるようにしましょう。私の場合、ニシアフを飼育後にはじめて外泊が必要になった際、最初は普段より大きな水入れを設置して外泊中に水がなくならないようにする予定でしたが、事前に大きな水入れを入れて様子をみたところ、ニシアフのうち1匹が見慣れない水入れが気になったのか、夜中に水入れの下に潜り込む動作を繰り返してしまいました。外泊中に水入れの下に潜り込んで出られなくなったり、潜り込む動作によるソイルの誤飲や怪我をしてしまう不安があったため、私の場合は大きな水入れを設置するのはやめて、普段の水入れのまま水が蒸発してなくならないように加湿器モイストキーパーを併用することにしました。このような場合もあるため、外泊時に行おうとしている対応を実際に試してトラブルにならないことを事前に確認してから外泊することをおすすめします。

 また、普段水入れを設置せずに霧吹きで水を与えている場合は、水入れから水を飲むことに慣れていない可能性があるため注意が必要です。普段霧吹きで水分補給させている場合は、外泊予定の数日前から水入れを設置して水入れから飲めているか確認しておくようにしましょう。水入れに慣れていないニシアフに対しては、モンスーン等のミスティングシステムを設置し、定期的に作動するよう設定することで水分補給できるようにすることも方法のひとつです。ミスティングシステムの場合、湿度対策になるほか、水入れと異なり、外泊中に水が蒸発してなくなるというトラブルが発生しないというメリットがあります。一方で使用しているケージとの相性や、飼育数によって導入が難しい場合もありますし、噴霧間隔、1回あたりの噴霧時間等を調整する必要がありますので、外泊予定日に急に使用するのではなく、飼育者がいる状態で事前に数日試しておくことをおすすめします。

③餌を与えすぎないようにする

 「心配だから外泊前にたくさん餌を与えておきたい!」と思うかもしれませんが、急に餌をたくさん食べてしまうと消化不良や吐き戻しの原因になるため、外泊前は普段どおりまたはやや少なめにしておくのがよいと思います。また、外泊中も食べられるようにと活餌をばら撒くのはやめましょう。活餌をばら撒くことでニシアフが活餌に噛まれてしまうリスクが生じるほか、普段ばら撒きをしていない場合にはニシアフのストレスになる可能性もあります。

④ペットカメラの導入

 また、必須というわけではありませんが、私は心配性であるため、外泊時にSwitchBotの見守りカメラも使用しています。ニシアフの様子を見ることができるだけでなく、手動でエアコンを遠隔操作した際にちゃんと動いているかをカメラでも見て確認できるというメリットがあります。ちなみに、外泊時以外でも、電気をつけて直接見に行ったら隠れてしまうニシアフが夜中や私が留守にしている時間帯に活発に動いている様子を見ることができるため、個人的には外泊以外でもおすすめできます。見守りカメラはSwitchBot以外でも販売されているため、どのようなものでも構いませんが、ニシアフは昼間はシェルターに入っていることが多いため、夜間でも撮影できるタイプがおすすめです。

長期間留守にするときは

 飼い主の入院など長期間留守にする場合は、ペットホテル等の利用を検討する必要があります。爬虫類を預けられる施設は限られますので、飼育を始める時点で万が一に備えて預け先を考えておくようにしましょう。

 留守中のお世話を頼むことができる家族や知人がいる場合は、家族や知人に預けることも選択肢の一つです。家族や知人が爬虫類飼育者であればすぐに対応できるかもしれませんが、飼育しているニシアフが活餌しか食べられないとか、活餌の触覚や足が顔に当たると食べなくなる、指先の脱皮不全が起こりやすいなどのニシアフごとの個性は飼い主だけが知っていることですので、他者に預ける場合は細く伝えておくようにしましょう。一方で、家族や知人はペットホテルと異なりプロではありませんので、うまく餌をあげられないかもしれませんし、しっかり管理をしてくれたとしても環境の変化などで預けたニシアフが体調を崩すかもしれませんし、飼い主ほどニシアフの体調の変化に気づかないかもしれません。家族や知人にお世話をお願いする場合は、そのようなリスクを考慮した上でお願いしましょう。

 なお、短期間の留守の場合でも心配だからペットホテルを使用した方がよいと思うかもしれませんが、ニシアフにとってペットホテルまでの移動や環境が変わること自体が大きなストレスであり、拒食等につながるリスクもあるため、短期間であれば事前に準備をした上で留守番をしてもらう方がよいと思います。

まとめ

 ニシアフは環境を整えてあげることができれば数日の留守番ができるため、比較的飼育しやすいペットだと思いますが、事前になにも準備をせずに外泊できるというわけではありません。急に外泊しなければならないこともあるかもしれませんので、普段から外泊する場合を考えて準備をしておくと安心できると思います。

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