ニシアフリカトカゲモドキ(通称:ニシアフ)は名前のとおりアフリカ西部を中心に生息している地表棲のヤモリ。一部モルフを除いて基本的に黒目であり、小さな手足やプニプニな太い尻尾が魅力的です。今回は、これからニシアフを飼育をしたい!という方にニシアフを飼育する上で必要なもの、あったら便利なものについて紹介します。
1.ニシアフリカトカゲモドキの飼育に必要な用品
①ケージ
ニシアフの飼育においては、基本的に1匹に対し1つのケージが必要です。30cm×30cm程度の床面積があれば大人になっても十分飼育が可能です。おすすめのケージについては別の記事で取り上げていますので、よければケージ購入の際に参考にしてください。
②シェルター
ニシアフは夜行性であり、自然下では湿度の高い巣穴で暮らしています。シェルターはニシアフがリラックスできる隠れ家であるとともに、ウェットシェルターを設置することでニシアフの好む多湿な環境をケージ内に作ることができます。またシェルターはニシアフが脱皮をする際に体を擦り付ける場所にもなります。部屋全体の湿度が保たれているのであれば必ずしもウェットシェルターである必要はありませんが、ニシアフが隠れる場所は必要であるためシェルターは必ず設置してください。シェルターの選び方については別の記事で取り上げていますので、参考にしてください。
③パネルヒーター
パネルヒーターはニシアフが自分で好きな温度を選べるようにするために必要であり、夏でも撤去することなく、ケージ面積の1/3程度を目安にケージの下に敷いてください。ただし、ニシアフの飼育の適温は30度前後であり、日本の気候ではパネルヒーターだけで温度管理をすることは難しいため、エアコン等でケージ全体の温度を管理した上でパネルヒーターを使用します。私はみどり商会の「ピタリ適温プラス」を使用しています。ニシアフ飼育の場合、ピタリ適温プラスの1号のサイズがオススメです。
④温湿度計
気温が適温であるかを日々確認するために温湿度計を用意しましょう。管理方法にあった温湿度計を使用するのが良いと思いますが、温度の変化を確認しやすいため0.1度単位で温度が表示されるものがおすすめです。ケージ内に設置できる小型の温湿度計も販売されており、私は初めて飼育をした際は、各ケージのガラス面に貼り付けるタイプのGEX EXOTERRA「コードレスデジタル温湿度計」を使用していました。現在は飼育数が増え、部屋全体で温度管理をするようになったため、「SwitchBot温湿度計プラス」を使用し、一定の温度になると自動でエアコンがつくようにしています。
⑤水入れ
ニシアフは自分で好きなときに水入れの水を飲むため、ケージ内に水入れを入れておく必要があります。爬虫類用の水入れも販売されていますが、私の場合は100円ショップで購入した小さなお皿を水入れとして使っています。水入れを選ぶポイントとしては、1️⃣ニシアフが飲みやすいようにニシアフの顔の高さよりも低いものであること、2️⃣ニシアフが誤ってひっくり返さないようガラス製や陶器製など一定の重さがあることです。
⑥床材
ニシアフの床材としてはペットシーツやキッチンペーパー、爬虫類用のソイル(土)があります。誤飲のリスクは否定できないため、必ずしもソイルが良いというわけではありませんが、私は爬虫類用のソイルであるGEX EXOTERRAの「デザートソイル(Desert Soil)」を使用して飼育しています。ソイル飼育のメリットは1️⃣フンをした際にシェルターや生体ニシアフをケージから移動させず、ニシアフにストレスをかけることなく素早く掃除ができ、清潔な状態を保ちやすいところ、2️⃣生体が水入れの水をこぼした際に床全体が濡れてしまわないこと、3️⃣ニシアフが自然下で行っているとされる砂を掘る行動がケージ内でできることです。デメリットは誤飲してしまう可能性があることです。私自身の経験として最小で5gのベビーをデザートソイルで飼育したことがありますが、その際には、人工フードなどソイルがつきやすい餌を与える際は下に平らな皿やプレートを敷く、それでも食べている最中に餌をソイルに落とした場合は餌が付着した部分のソイルはすぐに餌ごと撤去するということを徹底しました。またソイルの種類を選ぶ際は湿度を保ちやすい種類か、万が一誤飲をしてしまった際に内蔵を傷つけにくく、自然に排泄ができるサイズかということも考えた上で選ぶことが大切だと思います。
2.ニシアフリカトカゲモドキの飼育にあったら便利なもの
①給餌用ピンセット
ニシアフはピンセットから餌を食べる程度に人に慣れてくれる子が多いです。餌を食べているときが一番表情豊かであるといっても過言ではないため、個人的にはピンセット給餌をおすすめします。また、ピンセット給餌に慣れた個体は冷凍餌、人工フードも食べられるようになることが多く、普段食べている餌を食べなくなった拒食の場合にも対応しやすいですし、普段から人工フードを食べられるようにすることで、災害時の備えとなるほか、飼い主が入院等で急に長期不在となった場合に活餌に抵抗のある家族や友人でも対応しやすいという利点もあります。おすすめのピンセットは水作の「ピンセットスプーン」です。プラスチック製で先端が丸く、勢いよくニシアフが食いついても怪我をしにくいです。また、軽い力で餌を掴むことができ、食事のスイッチが入りにくく長時間目の前で動かしてあげないといけないような場合でも楽に給餌できます。ピンセット自体のサイズも小さいのでケージ内で動かす際もケージ側面にぶつかることもなく便利です。餌の種類、おすすめの人工フードについては別の記事で紹介しています。
②上部ヒーター
飼育数が少ない場合や部屋数の問題などで部屋全体を30度前後に保つのが困難な場合は、ケージ内の温度を上げることのできるヒーティングトップ、暖突、ヒュドラヒートなどの保温器具が便利です。ケージの種類によっては使用できないものや、サイズで制限があるものなどもあるため、上部ヒーターを使用する予定がある場合はケージの購入の際に素材やサイズをよく確認してください。また、気温が上がりすぎたときに自動で電源が切れるようにする専用の「サーモスタット」もあります。ただし、上部ヒーターの保温効果には限界があり、真冬など上部に備え付けるだけでは十分な温度にならない場合もあるため温室をつくったり、エアコンと併用する等の工夫が必要となります。
③SwitchBot
部屋全体で温度管理をする場合にはSwitchBotがおすすめです。私の場合は温湿度計、ハブミニを組み合わせて28.5度から31度の範囲を保つよう温度管理をしています。
④ペット用除菌スプレー
ソイル飼育していてもニシアフがフンをソイルではなくシェルターやケージの側面にしてしまう場合もあります。そのようなときにペット用の消臭スプレーを使うことで消臭と抗菌を行うことができます。私は寿工芸の「DEO MIST(デオミスト)」、GEX EXOTERRA「TERRARIUM DEO(テラリウムデオ)」を使用しています。どちらも生体が舐めてしまっても大丈夫な成分と商品紹介に記載されています。特にデオミストは生体にかかっても問題ない旨記載されており、生体がケージ内にいるままケージを掃除する際に使いやすいです。一方で消臭能力はテラリウムデオの方が高いため、フンの匂いが強いときなど素早く匂いを取りたいときはテラリウムデオを使用しています。
3.まとめ
ケージひとつをとってもたくさん種類がありますので、お迎えする前に自宅のどこにケージを置くのか、用品はどれを使用するのかということを一度イメージしてみてください。ショップでも用品の販売をしているかもしれませんが、種類が限られるため、お迎えすることを決意したら事前に飼育用品を揃えておくことをオススメします。
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