ニシアフリカトカゲモドキの脱皮で注意すること【脱皮不全】

飼育日誌

 ヘビの抜け殻は有名ですが、ヤモリであるニシアフリカトカゲモドキも定期的に脱皮します。今回は、ニシアフリカトカゲモドキの脱皮の際の注意点脱皮不全が起きた際の対応についてお話したいと思います。

ニシアフの脱皮の頻度

脱皮前のニシアフ
脱皮直後のニシアフ

 ニシアフの脱皮頻度はアダルトの場合、1ヶ月に1回程度です。例えば写真のニシアフの今年4月からの3ヶ月間の脱皮時期は4月5日、5月12日、6月9日です。脱皮前は左の写真のように身体全体が白くなり、脱皮直後は右の写真のようにとてもきれいな皮膚になるため飼い主も変化に気づきやすいと思います。

脱皮の際に飼い主が注意すること

①脱皮前

 ニシアフは皮膚の色が変わり始めて2日程度で脱皮を開始しますが、飼育環境が乾燥しすぎていると上手く脱皮できないことがありますので、脱皮前はいつも以上に適切な湿度を保てているかを確認するようにしましょう。脱皮前に皮が濡れてしまうと脱皮予定の皮が下の皮膚に張り付いてしまい、ニシアフが自分で脱ぎにくくなってしまいますので、脱皮前に霧吹きなどで直接ニシアフの身体を濡らさないようにしましょう。一般にウェットシェルターがあれば必要な湿度を保つことができますが、暖房器具を使うことでケージ内が乾燥しがちな冬場などには以下のような商品を使ってケージ全体の湿度を管理するのもオススメです。

GEX EXO TERRA「調湿防カビプレート」

サイズ:約幅18.0×奥行き9.0×高さ0.8cm

材質:陶土・バチルス属細菌

参考価格:750円〜800円程度

②脱皮中

 ニシアフの脱皮は、脱皮を始めてから10〜20分程度で終わることが多く、最終的に脱いだ皮は自分で食べてしまうため、いつのまにか脱皮が終わっているということも多いです。ニシアフは口や手を使って器用に自分で脱皮しますので、脱皮が終わるまでは飼い主は手伝ったりせずにそっと見守るようにしましょう。

③脱皮後

 ニシアフは基本的に自分で脱皮できますが、上記のように指先に皮が残ったままになってしまうことがあります。これを脱皮不全といいますが、放置しておくと皮が残っているせいで血行不良がおき、最悪の場合指が壊死してしまうことがあるため、ニシアフが脱皮の動作をしなくなっても指先に皮が残っている場合には飼い主が取り除いてあげる必要があります。そのため、ニシアフが脱皮を終えたら脱皮不全が生じていないか必ず全身を確認するようにしましょう。

脱皮不全が起きてしまったら

 ニシアフが脱皮の動作を終えても指先などに皮が残っていた場合、飼い主が取り除く必要があります。取り除く際は無理に剥がすと怪我をさせてしまうかもしれないので、温浴等で指先の皮をふやかしてから湿らせた綿棒やピンセットなどを使って慎重に取り除きましょう。ニシアフが急に動いても怪我をしないように先端が尖りすぎていないピンセットを使用すると安心です。ニシアフがたくさん動いてしまい、細かい作業が難しい場合は、皮をピンセットで軽く掴んでおき、ニシアフが自分で手足を動かすのを利用して取り除くときれいに取れることもあります。いろいろ試してみてやりやすい方法や道具を探してみてください。私の場合は脱皮不全を取り除くための温浴は水温30度〜35度程度温浴の時間は3〜5分程度で行い、ニシアフに過度な負担がかからないようにしています。ふやかした皮の一部が残って再度乾燥してしまうと、温浴前よりも新しい皮膚に張り付いてしまうため、温浴で皮を取り除いた後は、すべての皮を取り除けているかよく確認しましょう

 ニシアフの中には十分な湿度や身体を擦り付ける場所があっても、脱皮が苦手な子もいますし、脱皮不全解消のための温浴を嫌がる子もいます。そのような場合の解決手段の一つとして、以下のような爬虫類用の脱皮促進スプレーも販売されていますので、飼育環境や餌の見直しと並行して使用してみてもよいと思います。

Arion Japan「アリオンシェッド(Arion Shed)」

内容量:300ml

配合成分:クエン酸ナトリウム、カルボン酸系有機物、乳酸等、麦芽糖、L-酒石酸、フェチン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム

参考価格:5,500円程度

まとめ

 脱皮不全が起こらないよう最初から手伝ってあげた方がいいのかなと思うかもしれませんが、完全に皮が分離する前に飼い主が手伝ってしまうと新しい皮膚を傷つけてしまう可能性もありますので、ニシアフ自身が脱皮の行動を始めるまでは適切な湿度を保った上でそっと見守るようにしましょう。ニシアフが脱皮を終えたら脱皮不全が起きていないか全身を確認し、万が一脱皮不全があれば温浴等でふやかした後で優しく取り除いてあげてください。なお、脱皮不全の部位や状態によっては飼い主では対応が難しい場合もありますので、そのようなときは早めに爬虫類も診察可能な動物病院で診てもらいましょう。

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